第66回日蓮宗教学研究発表大会
2013年 11月13日 23:09 (水)
26日は私も「『日進聖人仰之趣』に関する一考察」との論題で発表させて戴いた。
今回の発表内容は身延久遠寺第三代・日進が口述したものを筆録したとされる『日進聖人仰之趣』の文献的考察である。『日進聖人仰之趣』は室住一妙師・岡教邃師による文献的考察はあるものの、それ以後、目だった研究はされてこなかった。そうであるのに論者の殆どが第一級史料の如くに評価してきた。
私が『日進聖人仰之趣』の文献的価値に興味を抱いた第一の要因は第6条に日興身延後住説をにおわす記述が見られたからである。これについては『二箇相承の真偽論』の中で若干、論及したことがある。それ以来、何時の日か第6条のみならず諸方面から考究を試みた論文を書き上げたいと思っていた。『二箇相承の真偽論』を刊行したのが平成18年のことであるから7年の歳月が流れたということになる。7年かかったが一往、自分なりの研纂成果を結実させることができてよかったというのが偽らざる想いである。
さて、私は平成16年の第57回大会から毎年ゝ発表させて戴き、今回の発表でその回数は10回となった。私は素人である。だから57回大会が最初で最後になってもよかった。けれど、御師範上人から「毎年発表しなさい」と厳命されたこともあり、ひとまず60回大会までやってみよう、60回大会なら発表回数は4回、区切りにはいいんじゃないかと思ったものだった。それでも60回大会以後も継続して今に至ったわけだが。
しかし、10回という大台を迎えたこと、自身を取り巻く環境の変化もあって私は今回を以って教学大会から退く所存である。とはいえ研纂活動を止めるつもりは全くない。時間と発表論題があれば発表を申し込むだろうが、今までのように毎年ゝというのは考えていない。それよりも若い衆を教学大会に引っ張り出したい。
今後は『法華仏教研究』と定例研修会(これは申込制ではなく指名制なのでそう出番はないだろうが)で細々と研纂を続けていきたいと考えている。
何時も貴重な発表の機会を与えて下さる日蓮宗の皆様方には衷心より御礼申し上げます。
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2013年11月14日 03:51
ご発表お疲れさまでした。
直人さんが研鑽活動を継続されることは私のような後続の人間にとって励みとなります。
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