意味が24通り!? 「take off」徹底攻略のための3つの視点と用法まとめ【句動詞表現#60】
こんばんは。ただいま絶賛花粉症発症中のねこらいたーです (=TωT=)目がかゆい...
「take off」というと、皆さんはどんな意味を思い浮かべますか?
「離陸する」「服を脱ぐ」などはあまりにも有名な意味ですが、辞書を引いてみると、他にもさまざまな用法がありますよね。特にこのtake offに関しては、辞書によっては30前後(!)もの意味を載せていたりもします。
一見すると、それらの多様な意味の間には何の繋がりもないような「雑然とした印象」がありますが、実はそれぞれの意味用法には、根幹となる用法・そこから派生した用法というように、キチンとした繋がりがあるんです。
そこで今回は単にtake offの用法を羅列するのではなく、前回までの記事でご紹介した各用法の整理に有効な3つの考え方についても、加筆した上で改めてご紹介しておこうと思います。これらの考え方はtake off以外の句動詞でも有効な場合が多いので、ココだけでもチェックしてみてください^^
★注意★
本記事は参照用として作成したため、非常に長くなっています。目次を活用して、まずは気になる箇所・必要と思われる部分を中心にお読みください。なお、基本的な構成としては前半が考え方の説明、後半がtake offの用法一覧となっています。
- 始めに~用語についての注意~
- take off攻略に有効な考え方はコレ!
- 3つの視点のコンセプトって?
- 3つ視点の特徴って?
- 視点①:隠された基本形「take 目的語① off 目的語②」で捉えよう
- take offが多義になる仕組みって?
- 「take+目的語+off」と「take+off+目的語」の関係って?
- 視点②:自動詞用法は「再帰動詞」で捉えよう
- 視点③:基本的意味から乖離した用法は比喩と捉えよう
- take offを覚えるコツって?
- 覚えるコツについて
- offの目的語を補った形は英語としても正しいの?
- 目的語の位置
- 全ての基本形: take 目的語① off 目的語②
- 1.「・・・を~から外す、取り去る」
- その他の ”take 目的語① off 目的語②” のパターン
- 2.「(力ずくで・権力を使って)(もの)を(人)から取り上げる、奪う」
- 3.「(人)に対して(薬の服用や治療など)を中止させる」
- 4.「(人)を(仕事・地位など)から外す」
- 5.「~を(程度・数量)の分だけ縮める」
- 6.「・・・を(船・山など)から救出する」
- 7.「(ある期間)を(仕事・学校など)から休みとして取る」
- 8.「(項目など)を(リスト・メニューなど)から外す」
- 9.「(金額や点数など)から(数量)の分だけ減らす」
- 基本形の目的語②が隠されたパターン
- 10.「・・・を外す、取り去る、片づける」
- 11.「・・・を救助する」
- 12.「(ある期間)を休みとして取る」
- 13.「(項目など)を外す」
- 14.「(数量)の分だけ減らす」
- 15.「(服など)を脱ぐ、(メガネなど)をはずす」
- 16.「(髪や人体の一部)を切断する」
- 17.「(運動や食餌制限で)(体重)を減らす」
- 18.「①(バスなどの公共交通機関)を廃止する、休止する ②(テレビやラジオ番組・舞台公演など)を中止する」
- 19.「・・・を(別の場所に)(無理やり)連れていく、持って行く」
- 20.「(選手や俳優など)を退場させる」
- 基本形の目的語①が隠されたパターン
- 21.「(笑いをとるために)(人の仕草や話し方など)をものまねする」
- 基本形の目的語①・②が隠されたパターン
- 22.「突然または急いで、どこか遠くへ行く」
- 23.「(飛行機などが)離陸する」
- 24.「①(仕事・商品・考えなどが)成功する、人気が出る ②(売り上げが)伸びる」
- take off 過去記事一覧
- 編集後記
始めに~用語についての注意~
この記事では「方位詞」という用語が出てきます。これは、方向・空間を表す前置詞と副詞(例:up, off, down, forなど)をまとめて指す言葉です。
より一般的には、「不変化詞」「パーティクル」「空間詞」などとも言いますが、これらとほぼ同じものと考えてください。
take off攻略に有効な考え方はコレ!
視点①:隠された基本形「take 目的語① off 目的語②」で捉えよう
視点②:自動詞用法は「 再帰動詞」で捉えよう
視点③:基本的意味から乖離した用法は「比喩」と捉えよう
3つの視点のコンセプトって?
これらのコンセプトは、句動詞take offがなぜそのような意味になるのかを「理屈」で考えることでその意味を覚えようというものです。
「覚え方」というと、一般的にはイメージや語呂合わせで覚えようとするものが主流ですが、本記事は理屈で納得していくスタイルなので、その点からいえば少数派かもしれません。しかし、個人的な経験からすると、前者のスタイルも万能というわけではなく物足りなさを感じることも少なくありませんでした。
結局、覚え方に関しては「イメージ」と「理屈」の2本柱で取り組んでいくことがベストです。前者については扱っているサイトや書籍も多いので、そちらにお任せするとして、後者については本記事・当ブログも助けになると考えています。
3つ視点の特徴って?
上記の3つの視点の中で”核”となっている考え方が視点①で、視点②はそれを発展させたものになります。一方、視点③はこれら2つとはまた別の切り口から見たものです。
特に視点①は今回のtake off以外の句動詞にも有効であり、その意味でとても重要な考え方といえます。
では、次の項目から具体的に説明していきます。
視点①:隠された基本形「take 目的語① off 目的語②」で捉えよう
take offが多義になる仕組みって?
まず次の3例を見てください(例文が3つとも受動態なのは偶然です)。
●「・・・を救出する」
例:11 people were taken off by the police.
●「(バスなどの公共 交通機関)を廃止する、休止する」
例:The 17.13 bus to Bristol will be taken off next month.
●「(選手や俳優など)を退場させる」
例:Their best striker was taken off after 30 minutes.
この3つは「take+目的語+off」(または「take+off+目的語」)のきちんとした意味用法ですが、これだけを見るとtake offという字面から受けるイメージからは懸け離れていて、それぞれの繋がりがもよく分からないという意味で「雑然とした印象」がありますよね。
実はこれにはカ ラクリがあって、目的語を2つ置くパターンである「take+目的語①+off+目的語②」のうちの目的語②が隠されているんです。
このように書くと「・・・えっ?」と思う方もいるかもしれませんが、他動詞用法のtake offには
・目的語を1つだけ置くパターン(例:take it off)
・目的語を2つ置くパターン(例:take him off the ship)
が存在しています。実際、目的語を2つ置くパターンは他の句動詞でも普通に見られるものであり、全く珍しいものではありません。
最近は句動詞を紹介しているサイトも増えている印象ですが、それらのサイトで実際に載せているのは目的語を1つだけ置くパターンだけだったりすることも多いので、目的語を2つ置くパターンに関しては印象が薄いかもしれませんね。ちなみに後者のパターンでのoffは、いわゆる前置詞に分類されます。
さて、話を戻します。
”take+目的語①+off+目的語②”の意味を一般的に書くと「目的語②から目的語①を取り去る」となるのですが、この『目的語②から』の部分が省略などの理由で隠されてしまった結果として生まれるのが目的語を1つだけ置くパターンなんです。
したがって、さきほどの例文3つは以下のように目的語②を ”復元”してあげることができます。あくまでこれは”復元”の一例なので、文脈によって入れるべき目的語は変わる場合もあります。
なお、カッコ内の数字は後ほど挙げる用法一覧での番号です。各用法についての詳細はそちらをご覧ください。
●11 people were taken off by the police. (用法11)
⇒11 people were taken off the ship by the police. (用法6)
●The 17.13 bus to Bristol will be taken off next month.(用法18)
⇒The 17.13 bus to Bristol will be taken off the schedule next month.(同上)
●Their best striker was taken off after 30 minutes.(用法20)
⇒Their best striker was taken off the field after 30 minutes.
このようにoff以下の目的語を”復元”してあげることで、単に日本語での意味と対応させて覚えようとするよりも覚えやすくなります。
なお、場合によっては目的語①の方を"復元"する必要がある場合もありますが、他動詞用法であれば基本的には目的語②の方を考えればOKです。後の項目で挙げるtake offの用法一覧では、隠されていると考えられるoff以下の目的語の一例を示してありますので、覚える際の参考にしてみてください。
※自動詞用法のtake offについての考え方は視点②も参照ください
「take+目的語+off」と「take+off+目的語」の関係って?
ここまでの話は、「take+目的語+off」は「take+目的語①+off+目的語②」から目的語②が隠された結果生まれたものだということでした。
では、目的語が最後にくる「take+off+目的語」という形はどう考えるのかといいますと、これはいわゆる「情報構造」による語順変更が原因です。
情報構造というのは一言でいうと、
聞き手にとって既に知っている情報をなるべく前に置き、聞き手にとってまだ知らない情報をなるべく後ろにおく
という英語の性質のことです。一般的には、前者を「旧情報」と呼び、後者を「新情報」と呼びます。
これは日本語でも同じです。例えば、
「Aくん、今日は休みだってさ」
という発言は、聞き手もAくんのことを知っている前提の会話です。
この発言の中で情報的に重要なのは後半部分の「今日は休み」という箇所。なぜ重要なのかというと、聞き手は知らない情報だからであり、これが新情報です。
したがって、仮に旧情報を緑、新情報を赤とするならば、先の発言は
「Aくん、今日は休みだってさ」
と分けることができます。
このように、普通の語順では、日本語でも英語でも「旧情報+新情報」という構造になっていることが多いです。
さて、ここまでの流れをまとめると
take+目的語①+off+目的語② <基本形>
↓ 目的語②の省略
take+目的語+off
↓ 情報構造による語順変更
take+off+目的語
となります。
視点②:自動詞用法は「 再帰動詞」で捉えよう
視点①で紹介したものとは対照的に、目的語を必要としないパターンのtake offが存在します。これが自動詞用法のtake offなのですが、それが生まれた過程というのは、基本形「take+目的語①+off+目的語②」で捉えるという考え方に、ある見方を”ちょい足し”するだけで実は簡単に説明できるんです。
その考え方というのが、「 再帰動詞」という視点です。
この 再帰動詞というのは、一言でいうと、
見かけ上は「他動詞+目的語(+修飾語)」という形を取るが、意味としては自動詞のようになっている動詞
のことです。
例えば、apply to~(「~に適応する」)がこれに該当します。
この形は元々、
apply oneself to~(「自分自身を~に適応させる」)
であって、そのoneselfが省略されるかたちで自動詞用法が生まれました。
こういった現象は英語史などでも指摘されていて、この 再帰動詞が歴史上のある時期にoneselfをなくした結果として大量の自動詞が生まれたとされています。
再帰動詞の他の例としては、
●kill oneself(「自殺する」)
●enjoy oneself(「楽しく過ごす」)
●amuse oneself with~(「~をして楽しむ」)
などがありますね。
実際、take oneself off(⇒用法22を参照)という表現が存在することからも、この考え方でまず間違いないでしょう。
ということで、句動詞take offの自動詞用法は、次のような流れで発生したと理解することができます。
take + 目的語① + off + 目的語② <基本形>
↓ 目的語①がoneselfになる
take + oneself + off + 目的語②
↓ oneselfと目的語②の省略
take off
さて、これでtake offの自動詞用法が発生した経緯が掴めました。自動詞用法のtake offがなぜ特定の意味になるのかを知りたければ、1つ前の項目と同様に、基本形まで遡ることで、想定されている目的語を考えればいいわけです。
こちらに関しても、 後で挙げるtake offの用法一覧では、隠されていると考えられるoff以下の目的語の一例を示してありますので、覚える際の参考にしてみてください。
視点③:基本的意味から乖離した用法は比喩と捉えよう
句動詞では、それを構成する動詞や方位詞の基本的な意味から著しく離れているように感じる意味用法によく遭遇します。その際は、その他の意味用法を比喩的に用いた結果できた派生的なものと考えるとうまくいくことが多いです。
例えば、今回のtake offでは
「離陸する」(用法23)
↓ 比喩的に用いる
「仕事などが成功する、人気になる」(用法24)
が典型的なパターンです。
take offを覚えるコツって?
覚えるコツについて
コツは2つあります。
まず1つ目は、すぐ上で説明したように、他動詞用法である「take+目的語+off」(または「take+off+目的語」)のパターンは方位詞offの後ろに隠されている目的語を補った例文をメモしておくことです。
これは自動詞用法についても同様で、視点②で説明したように「take+ oneself+off+目的語」の形を想定するといいでしょう。このようにすることで、単に日本語での意味だけで覚えようとするよりも記憶しやすくなります。
では次に、コツの2つ目ですが、こちらは単純です。
take offであれば、どんな場合でも「Aを取って(または移動させて)、Bから離す」が根底にあるという点を忘れないようにしてください。
要するに、1つ目のコツを使って具体的な各意味用法を覚えつつ、2つ目のコツでtake offの核となるイメージを掴もうという寸法ですね。
offの目的語を補った形は英語としても正しいの?
覚えるための補助とはいえ、上記のようにoffの目的語を補った表現が実際に使われている正しい英語なのか気になる方もいるかもしれませんね。ですので、ここで少しだけお話ししておきたいと思います。
まず、さきほど挙げた11 people were taken off by the police. の場合などはoff以下の目的語を補った形でもごく普通に使われているため、11 people were taken off the ship by the police.が元の形であると100%断言できます。
一方、このように対応する表現の実例が少なかったとしても、隠されている目的語が状況から明らかな場合もあります。
例えば、「帽子を脱ぐ」といえば、”take off a hat”あるいは"take a hat off"という言い方がすぐに思いつきますが、これは誰がどう見ても帽子は頭から離れているわけですから、offの後には”someone's head”がくるとすぐに判断できます。しかしながら実例を探すと、
When you take your hat off your head, the hat and hair rub together...(以下略)
※太字・赤字は引用者
※私訳:「帽子をとるとき、帽子と頭が擦れて・・・(以下略)」
のようにoff以下に目的語を置いているものはかなり少ないです。とはいえこの場合、実例が少ないのは、文法的・語法的に間違っているからというよりも、余りにも当然のこと過ぎてわざわざ言う必要がないからでしょう。
こういったことから、方位詞offに関し、話者の頭の中である種の目的語が想定されていると見てほぼ間違いないです。また、これは字面や音声上にoff以下の目的語が現れる例が少ないからといって、そのまま英語として誤っているということにはならない例ともいえます。
ということで、offの目的語を補った表現はあくまでtake offの用法を覚えるための補助に過ぎないものの、英語としての正しさもある程度以上は保証されていると考えてもらえればいいかな、と思います。
目的語の位置
※こちらの項目は当ブログ初見の方向けです。過去記事に載せているものと同じですのでご注意ください。
※句動詞がとる目的語位置についての説明ですので。take offの意味の覚え方だけ知りたいという方は飛ばしてもらって構いません。
一般に句動詞がとる目的語の位置には次の4パターンがあります。なお、ここでいう方位詞とは、方向・空間を表す副詞・前置詞を一括りにした言い方です。
①:割り込み型
動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません。
例)get my meaning across 「言いたいことを理解させる」
②:後置型
必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン
例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」
例2)get up to London「ロンドンに行く」
③:準後置型
方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”準”後置型」としてあります。
例)put on weight 「体重が増える」
④:入れ替え可能型
文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン。ただし、目的語が人称代名詞のときは必ず「動詞+代名詞+方位詞」の語順となる
例)put the coat on(またはon the coat) 「 上着を着る」
⑤:不要型
いわゆる「自動詞+副詞」のパターン。このパターンでは、意味を成立させるのに目的語を必要としません。
例)break up「(関係・友情などが)終わる」
全ての基本形: take 目的語① off 目的語②
1.「・・・を~から外す、取り去る」
例)He took a hinge off the door frame.
意味:彼はドア枠から蝶番を取り外した
目的語パターン:割り込み型
この用法がtake off全ての基本。
この基本形では、目的語①・②ともに使える名詞に関して特に制限はありません。これに対し、用法2以降のものは、目的語②(または目的語①)にくる名詞の種類がおよそ決まっています。これによって文脈が作られ、take offが様々な意味用法をもつわけです。
したがって、takeとoffというたった2語が様々な意味をもつというよりも、目的語として配置される名詞の意味によってtake offが使える範囲が制限されていき、その制限によって逆に意味が多様化しているという認識の方が正しいかもしれません。
さて、take offを学ぶ上で厄介なのは、「take+目的語+off」や自動詞用法の「take off」では文脈を作っている目的語②(または目的語①)が隠されてしまっているという点。
この現象によって、英語の 母語話者でない日本人には、ある特定の意味を持ったtake offがなぜその意味になるのか分かりにくく見えてしまうわけです。その意味で、これは日本人が句動詞を苦手とする大きな理由の一つといえます。
★例文の詳細な説明は
→ 【句動詞表現#53】の用法1へ
その他の ”take 目的語① off 目的語②” のパターン
2.「(力ずくで・権力を使って)(もの)を(人)から取り上げる、奪う」
例)The professor took his iPhone off him.
意味:その教授は彼からアイフォンを取上げた
目的語パターン:割り込み型
インフォーマル表現で、主にイギリス英語。
★覚え方の例
「ものを取って、人から離す」⇒「ものを奪う」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#53】の用法3へ
3.「(人)に対して(薬の服用や治療など)を中止させる」
例)Her doctor took her off steroids.
意味:担当医は彼女に ステロイド剤の使用を中止させた
目的語パターン:割り込み型
★覚え方の例
「人を移動させて、治療などから離す」⇒「治療などを中止させる」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#53】の用法4へ
4.「(人)を(仕事・地位など)から外す」
例)He was taken off the project.
意味:彼はそのプロジェクトから外された
目的語パターン:割り込み型(※能動態の場合)
受動態で用いられる場合も多い用法です。
★覚え方の例
「人を移動させて、仕事から離す」⇒「仕事から外す」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#54】の用法5へ
5.「~を(程度・数量)の分だけ縮める」
例)These problems can take years off the operating life of the system.
意味:こういった問題はシステムの耐久年数を大幅に縮めてしまいかねない
目的語パターン:割り込み型
インフォーマル表現です。offの直後に縮める対象となるものを置きます。
★覚え方の例
「ある数量を取って、寿命などから離す」⇒「寿命を縮める」
★詳細な説明は
⇒ 【句動詞表現#54】の用法6へ
6.「・・・を(船・山など)から救出する」
例)11 people were taken off the ship by the police.
意味:11人が警察によって船から救助されました
目的語パターン:割り込み型(※能動態の場合)
受動態で用いられることが多いようです。
★覚え方の例
「人を移動させて、危険な場所から離す」⇒「救助する」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#54】の用法7へ
7.「(ある期間)を(仕事・学校など)から休みとして取る」
例)I'm going to take tomorrow off work.
意味:明日は仕事を休むつもりです
目的語パターン:割り込み型
「2~3日休む」なら、take a few days off work のように休む期間を示す語を置きます。
★覚え方の例
「ある期間を取って、仕事などから離す」⇒「ある期間だけ仕事などを休む」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#55】の用法9へ
8.「(項目など)を(リスト・メニューなど)から外す」
例)The vegan fried chicken has been taken off the menu.
意味: 菜食主義者向けのフライドチキンは取扱いを中止しました
目的語パターン:割り込み型(※能動態の場合)
★覚え方の例
「項目を取って、リストから離す」⇒「リストから項目を外す」
★詳細な説明は
⇒ 【句動詞表現#55】の用法11へ
9.「(金額や点数など)から(数量)の分だけ減らす」
例)You can use the coupon code to take another 10% off the price.
意味:クーポンコードを使えばさらに10%割引になります
目的語パターン:割り込み型
★覚え方の例
「数量を取って、価格などから離す」⇒「価格などを下げる」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#55】の用法13へ
基本形の目的語②が隠されたパターン
※take 目的語 off(または take off 目的語)という形の多くがこのパターンになります。
10.「・・・を外す、取り去る、片づける」
例)He took off a hinge.
意味:彼は蝶番を取り外した
目的語パターン:入れ替え可能型
用法1のoff以下を省略したバージョン。
★隠されているoffの目的語の例
take a hinge off the door frame
※用法1と同じなのでこのようになる。本来はモノであれば何でもよい。
★覚え方の例
「ものAを取って、ものBから離す」⇒「ものAを外す」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#53】の用法2へ
11.「・・・を救助する」
例)11 people were taken off by the police.
意味:11人が警察によって救助された
目的語パターン:入れ替え可能型(※能動態の場合)
これは用法6のoff以下が省かれたバージョン。受動態で用いられることが多い。
★隠されているoffの目的語の例
take 11 people off the ship by the police
※用法6と同じなのでこのようになる。本来は、事故現場など危険な場所なら何でも良い。また、上の例文はコレを受動態にしたもの。
★覚え方の例
「人を移動させて、危険な場所から離す」⇒「救助する」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#54】の用法8へ
12.「(ある期間)を休みとして取る」
例)I'm going to take tomorrow off.
意味:明日は休暇をとるつもりです
目的語パターン:割り込み型
用法7のoff以下が省かれた形。
★隠されているoffの目的語の例
take tomorrow off work
※用法7と同じなのでこのようになる。本来は、仕事・学校に類するものなら何でも良い。
★覚え方の例
「ある期間を取って、仕事などから離す」⇒「ある期間だけ仕事などを休む」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#55】の用法10へ
13.「(項目など)を外す」
例)The vegan fried chicken has been taken off.
意味: 菜食主義者向けのフライドチキンは取扱いを中止しました
目的語パターン:入れ替え可能型(※能動態の場合)
用法8のoff以下を省いた形
★隠されているoffの目的語の例
take the vegan fried chicken off the menu
※用法8と同じなのでこのようになる。本来は、リストに類するものなら何でも良い。また上記の例文はこれを受動態にしたもの
★覚え方の例
「項目を取って、リストから離す」⇒「項目を外す」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#55】の用法12へ
14.「(数量)の分だけ減らす」
例)You can use the coupon code to take another 10% off.
意味:クーポンコードを使えばさらに10%割引になります
目的語パターン:入れ替え可能型
用法9のoff以下が省かれたもの。
★隠されているoffの目的語の例
take another 10% off the price
※ 用法9と同じなのでこのようになる。本来は金額や点数に類するものなら何でも良い。
★覚え方の例
「数量を取って、価格などから離す」⇒「価格などを下げる」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#55】の用法14へ
15.「(服など)を脱ぐ、(メガネなど)をはずす」
例)Greg took off his coat and put it around her shoulders.
意味:グレッグは 上着を脱いで彼女の肩に掛けた
目的語パターン:入れ替え可能型
★隠されているoffの目的語の例
take his coat off the body
★覚え方の例
「衣服などを取って、体から離す」⇒「衣服などを脱ぐ・外す」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#56】の用法15へ
16.「(髪や人体の一部)を切断する」
例)His leg had to be taken off below the knee.
意味:彼の足はひざ下で切断しなければならなかった
目的語パターン:入れ替え可能型 (※能動態の場合)
★隠されているoffの目的語の例
take his leg off the body
★覚え方の例
「身体の一部を取って、体から離す」⇒「身体の一部を切り離す」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#56】の用法16へ
17.「(運動や食餌制限で)(体重)を減らす」
例)He needs to take off weight.
意味:彼は減量する必要があります
目的語パターン:入れ替え可能型
以下のように、どのくらい減量するのか(または、減量したのか)具体的に示すことも可能。
He took off more than 15 pounds.
「彼は15ポンド以上痩せた」
★隠されているoffの目的語の例
take weight off the body
★覚え方の例
「重さを取って、体から離す」⇒「体重を落とす」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#57】の用法17へ
18.「①(バスなどの公共 交通機関)を廃止する、休止する ②(テレビやラジオ番組・舞台公演など)を中止する」
例)The 17.13 bus to Bristol will be taken off next month.
意味:17:13発 ブリストル行きのバスは、来月をもって運行終了となります
目的語パターン:割り込み型(※能動態では通例、take...off~の形で用いるため)
※例文の出典:Oxford Phrasal Verbs Dictionary
この用法では受動態になることが多いです。
他の注意点としては、次の2つ挙げられます。
①:能動態で用いる場合には目的語を2つ置いた「take...off~」のパターンが普通
②:受動態では”be taken off the schedule”のように、off以下に目的語を伴うパターンもある
★隠されているoffの目的語の例
will be taken off the schedule
※scheduleは「運行予定表」という解釈です
★覚え方の例
「バスなどを取って、運行予定表から離す」⇒「バスなどを運行計画表から外す」⇒「バスなどを廃止する・運休する」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#58】の用法18へ
19.「・・・を(別の場所に)(無理やり)連れていく、持って行く」
例)Josh took the man off to the hospital.
意味:ジョシュはその男性を病院に連れて行った
目的語パターン:入れ替え可能型
有名な「take+人・もの+to+場所」のパターンとの違いは、こちらのtake+人・もの+off+to+場所には”無理やり”というニュアンスが伴うという点。
★隠されているoffの目的語の例
take the man off there to the hospital
※このthereは「名詞」
★覚え方の例
「人を移動させて、その場から離す」⇒「人を連れて行く」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#58】の用法19へ
20.「(選手や俳優など)を退場させる」
例)Their best striker was taken off after 30 minutes.
意味:そのチームのエース・ストラ イカーは30分後に退場となった
目的語パターン:入れ替え可能型(※能動態の場合)
※例文の出典:Oxford Phrasal Verbs Dictionary
イギリス英語。
★隠されているoffの目的語の例
take their best striker off the field
上の例文はこれを受動態にしたものです。
★覚え方の例
用法19から派生したものと考えれば特に問題ないでしょう。「人を無理やり他の場所へ連れて行く」(用法19)ということは、「その場から離れさせる」(用法20)ということでもあるからです。
他の用法と同じに考えるなら
「人を移動させて、広場から離す」⇒「退場させる」
となります。
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#58】の用法20へ
基本形の目的語①が隠されたパターン
21.「(笑いをとるために)(人の仕草や話し方など)をものまねする」
例)He can take off the President perfectly.
意味:彼は大統領の完璧なものまねができる
目的語パターン:入れ替え可能型
インフォーマルなイギリス英語。
★隠されている目的語の例
take copy off the President
★このように復元できる理由
このtakeは「・・・を記録する、コピーする」の意味(take a pictureのtakeも同じ)。つまり、ものまねをするというのは、ある人の仕草などをコピーするということ。
実際、take (a) copy of~(「~を複写する」)という形でも使われており、さらにいえば、take a copy off of~やtake a copy off~いう言い方も実例はごく僅かですが存在します。
★覚え方の例
「コピーを取って、人から離す」⇒「人をコピーする」⇒「人のものまねをする」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#58】の用法21へ
基本形の目的語①・②が隠されたパターン
22.「突然または急いで、どこか遠くへ行く」
例)Whenever things get tough, she takes off.
意味:苦しくなると、彼女はいつも急にいなくなる
目的語パターン:不要型
※例文の出典:Oxford Phrasal Verbs Dictionary
海外ドラマで見る”I'm gonna take off.”(「もう行くね」)のtake offもこの用法です。
また、これと同じ意味でtake oneself offという形になる場合もあります。この場合のtakeはもちろん他動詞です。
例)He took himself off to Tokyo.
「彼は急に東京に発った」
このような表現が存在することからも、自動詞用法のtake offが元々はoneselfを目的語にした他動詞表現だったことは間違いないでしょう。
★隠されている目的語の例
take oneself off there
※この場合のthereは「名詞」
★覚え方の例
「自分自身を移動させて、その場から離す」⇒「その場から離れる」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#59】の用法22へ
23.「(飛行機などが)離陸する」
例)Our plane took off on time.
意味:私たちが乗った飛行機は時間通りに離陸した
目的語パターン:不要型
★隠されている目的語の例
take oneself off the ground
★覚え方の例
「自分自身を移動させて、地面から離す」⇒「離陸する」
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#59】の用法23へ
24.「①(仕事・商品・考えなどが)成功する、人気が出る ②(売り上げが)伸びる」
例)Haruki Murakami's new book has really taken off.
意味: 村上春樹の新刊は非常に好調だ
目的語パターン:不要型
インフォーマル英語。
★隠されている目的語の例
take oneself off the ground
★覚え方の例
すぐ上の用法23「離陸する」に含まれる「上昇」のイメージを比喩的に用いた意味。つまり、
「本(の人気・売り上げ)が離陸する」⇒「人気になる、売り上げが伸びる」
というイメージの繋がりがあります。
こういった繋がりがあることは以下の表現があることからも明白。
get off the ground
意味:①離陸する ②うまくスタートする ③軌道に乗る
★詳細な説明は
→ 【句動詞表現#59】の用法24へ
take off 過去記事一覧
最初から順番にご覧になりたいという方は↓からどうぞ。
eigogakushu.hatenablog.jp
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編集後記
前回の投稿から間が空いてしまいましたが、今回はいかがだったでしょうか。
take offといったら「離陸する」「服を脱ぐ」だけではないことがよく分かってもらえたと思います。
これだけ用法が多いことから分かるように、take offは日常的に用いられている句動詞の一つであり、使用頻度もそれだけ高くなります。是非使いこなせるようになりたいですね^^
では、また。
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